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字小禄606 |
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平成11年2月10日 |
かつて、字小禄には、18個所のカー(井泉)がありましたが、その大部分は沖縄戦のために破壊されてしまいました。シマダガーは、戦前のムラガー(共同井戸)の形を残している数少ないカーの1つです。
シマダガーは、集落の南東側、小字名「島田原[シマダバル]」にあり、名称はそれに由来しています。かつて周囲には、サトウキビ・イモ・野菜などをつくる畑が広がっていましたが、現在では住宅地に様変わりしています。
水の湧き出るところは、垂直に掘り込んだ長方形で、内側は大きな石で布積みにしてあります。さらにその上に土留めとして、あいかた積みの石垣が続いています。そして、井戸口の前の洗い場には敷石がありました。また、左の側面は、大きめの石が積まれて土留めになっています。
シマダガーは、畑の帰りに手足や農具を洗うのに使われ、干ばつの時には、飲み水以外の生活用水となりました。
古来、水は大切に利用され、また年中行事や人生儀礼においても大切な役割を果たしてきました。そのため、シマダガーは、過去の農村生活を知る上で貴重な史跡となっています。 |
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