旧御茶屋御殿石造獅子 |
きゅうウチャヤウドゥンせきぞうじし |
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首里崎山町1丁目77-1 |
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昭和61年6月25日 |
御茶屋御殿[ウチャヤウドゥン](別称東苑[べっしょうとうえん])は、国王が遊覧[ゆうらん]され外国の使臣[ししん]を招[まね]いて宴[うたげ]などが開かれた王家の別荘で、『南島風土記[なんとうふどき]』(1950年)には、前川家家譜によると、1677(康煕16)年、伊舎堂親方守浄[いしゃどうウェーカタしゅじょう]が普請奉行[ぶしんぶぎょう]となり、建設されたと記[しる]されています。
玄関前約40mの岩陰[いわかげ]にあった石造獅子も、同じころにつくられたと考えられています。しかし、沖縄戦によって破壊され、1979(昭和54)年に戦前の写真をもとにして修復され、今日に至っています。
石造獅子は冊封使[さっぽうし]汪楫[ようしゅう]が初めて紹介し、周煌[しゅうこう]の『琉球国使略[りゅうきゅうこくしりゃく]』(1756年)には、「山の岩に『 』の字のような梵字を掘り込み、石獅子がその下の岩陰に座っている。下には小さな四角い池があり、石でつくられた龍の口から、水が激しく湧[わ]き出てくる。その池の中には金魚が飼われている。前にはたくさんの竹が、後ろには古い松が数十株もあって、それらに趣があって美しい」と記され、石造獅子とその周りの情景を伝えています。
もと石造獅子のあった岩陰は、がけ崩れの恐れが生じたため、現在地(雨乞嶽[あまごいたき]側)に移してあります。 |
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