明孝宗より琉球中山王尚真への勅書 |
みんこうそうよりりゅうきゅうちゅうざんおうしょうしんへのちょくしょ |
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県立博物館 |
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昭和49年11月11日 |
成化[せいか]23(1487)年12月25日付けの中国皇帝(明朝[みんちょう]の孝宗帝[こうそうてい])から琉球王朝尚真[しょうしん]へ送られた文書で、琉球関係の勅書[ちょくしょ]で現物が残っているものとしては唯一のものです。
1487(成化23)年秋、進貢[しんこう]・謝恩[しゃおん]のため派遣された琉球の使者が北京につくと、憲宗[けんそう]皇帝(成化帝[せいかてい])は8月に死去し、代わって孝宗皇帝が9月に即位しました。そのため琉球の使者は、新皇帝の即位をしらせる詔書[しょうしょ]と、慣例として即位の際に周辺諸国に贈る品物のリストの記入された勅書およびその品物を琉球に持ち帰ったようです。その持ち帰った勅書がこの文書であろう、と考えられています。
この文書は、縦47.05cm・横178.8cmの大きさで、中央には左向きの龍が火炎を吐く様子と紙の四隅[すみ]には瑞雲[ずいうん]が金の線で描かれています。文書は、最初に国土を継承し統治する旨を告げ、次に王および王妃へ贈る錦・紵糸[ちょし]・紗[さ]・羅[ら]の種類と数量の書き込まれた目録があり、最後の日付の「成化二十三年」の文字の上に、縦11.5cm・横11.1cmの皇帝の印を表す「広運之宝[こううんのたから]」の朱印が押されています。この勅書は、いつのころか琉球王府から外部に流れ、大阪・京都などの旧所蔵者の手を経て沖縄に里帰りしたもので、現在は県立博物館に所蔵されています。 |
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