紙本着色奉使琉球図 |
しほんちゃくしょくほうしりゅうきゅうず |
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入境登岸 |
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諭祭先王 |
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県立博物館 |
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昭和57年3月4日 |
14世紀より19世紀にかけて、中国は琉球の新しい国王が即位する度に使者を送り、「国王に任命する」という意味の詔書[しょうしょ]を与えました。これを冊封[さっぽう]といい、その時にくる使者を冊封使[さっぽうし]と呼んでいました。
この紙巻は、冊封使一行が福州[ふくしゅう]の港を出帆[しゅっぽん]して那覇港に入港し、琉球国で冊封の式典を行い、再び那覇港より出帆して福州の港に帰り着くまでの全行程を描いたものです。航路の景観や式典の情景などが20景に分けて描かれていますが、それぞれの画面の左上には画題が書かれていて、冊封使の一行が中国から沖縄までどのような航路をたどり、琉球国でどのような冊封の式典を行ったかを知ることができます。これを描いた朱崔年[しゅかくねん]は清国の絵師[えし]ですが、上の2景の絵は、那覇に入港した時の情景「入境登岸[にゅうきょうとがん]」と崇元寺[そうげんじ]で行われた先王をまつる儀式「諭祭先王[ゆさいせんおう]」を描いたものです。 |
冊封[さっぽう] |
中国では、諸侯、太子、皇后などを任命することであるが、琉球では、中国皇帝が使者を派遣して新しい国王を封ずることとなっている。中国からの使者のことを冊封使という。冊封をうけることにより進貢貿易が許される。冊封使の滞在期間は4ケ月から8ケ月に及ぶ。冊封便の多くは科挙の出身使で儒学・書・詩文に長じており、琉球の社会・文化に大きな影響を与えた。 |
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